作家在廊:17(日)
会期中無休








まだ武蔵美で助手として働いている柴田有紀さんに会いに行ったのは、3月だった。様子を伺いつつ、なんとなく今年の方向性を話す。とりあえず何かを掴もうと手ぶらで行って、抽象的な話で終わってしまうことが多いのだが、この日もそうだった。具体的にかたちとなって一つ二つと便りがあると、ようやく調子が出てくるはずが、歯車がなかなか合わず、更に予定外のこともあって気付けば8月。DM用の写真も撮影できないまま計画が狂いに狂って、会期が一週間遅れてしまった。
そんな中でも明日また初日を迎える。ギリギリ滑り込みで届いた作品は、前回よりもっと磨かれて、新しく、素直な柴田さんらしいかたちばかりだった。奇跡的なタイミングで二度に渡り写真に収めていただくことも出来て、こうなったらこの瞬間も撮ってもらいたかったなー、と切ないほど。ピースはバラバラだったものの、最後にはちゃんと合った。それぞれが似合うような場所をつくりながら、探しものが見つかったような気分だった。





photo:Kazumasa Harada