ハタノワタル Wataru HATANO

2021/08/03

会期:2021.8.21(土)- 8.30(日) 11:30-18:00
休廊:24(火),25(水)
作家在廊: 21(土)



当店の移転に際して、フローリングはハタノさんに張ってもらった。うっすら青い顔料が向こうに透けて見える茶紙で、ウレタン塗装をすると艶が出てちょっと革みたいだ。パッチワーク状に張ったせいか、本人曰く「韓国風?(たぶん)」とのこと。この和紙の床は歩くと足裏で磨かれて、それこそ革のようにツヤツヤになることを私は知っている。もともと黒谷和紙はコウゾやミツマタといった植物繊維で出来ているからか、布のようでもある。 以前は紙をシンプル に紙として売ることしか想像できなかったが、それだけハタノさんの漉く紙が面白かった、というのもあるだ。記憶に鮮やかなのは、白くてふわっふわに起毛した綿花のような紙。軽くて薄くても、紙は丈夫で温かいと教えてくれたのもハタノさんだった。先日やっとのこと、超絶多忙なハタノさんを捕まえて工房に突撃。以前には無かった紙漉き工場が出来て、自宅も改装されていた。もちろん全体的に紙を多く使っているので、大きなサンプル帳を見ているようで面白い。最近では平面、立体のアートワークも多く手がけており、新しいハタノさんの引き出しを見ている気分。 振り返ると、会った時から絵画をしている人で、もともと紙はその支持体として自ら漉き始めたのだった。工房には紙を加工する時に下敷きにしている紙が積んであった。贅沢な下敷き使い。紙を染めたり塗ったり、ある程度のところで一つの作業が終わると、上にまた新しい紙を敷いて次の作業を重ねていくらしい。そのため、汚れた下敷きはどんどん嵩張っていき、塗料でくっついたりしているが、1枚1枚剥がしていくと面白い風景が見えてきた。これは逆で、塗料という支持体にのっかった紙、ということになるのでは... ? 興奮。意図して出来たものではないが、紙上の長い長い作業と時間の連続が、私には絵画に思えた。



ハタノワタル Wataru HATANO
1971 - 淡路島生まれ
1995 - 多摩美術大学絵画科油画専攻卒
1997 - 黒谷和紙研修生となる
2000 - 黒谷和紙漉き師として独立

www.hatanowataru.org

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