壷田和宏・亜矢

2022/03/15

会期:2022.3.19(土)- 28(月)11:30-18:00
休廊:22(火),23(水)
作家在廊:3.19(土)



壷田さんの地元である 黒原 くろばる の原土を粘土にし、炭化させた作品がある。グレーに茶や黒のまだらな点々が入った、恐竜のたまごのような、薄めにカリッと焼いたお菓子の失敗作みたいな。美味しそうには見えないが、口をあててみたくなり、使ってみようと思った。炭化は土に含まれる酸素を完全に奪ってカラカラにするということらしいから、水に強く、料理の色やにおいも付きにくく、思っていたより料理に取り入れ易いということが初めて分かった。花を生けるにも良くて、食料を保存にもするにも適している。焼き〆は日常的には使いみちが限られるというイメージが覆った。これはいい。そんなわけで、今回は炭化を中心にお願い!ということになった。

自宅兼工房では薪を準備し、パンの生地を発酵させながら、ほぼ見た目が同じの粘土を精製したりしていてパン職人(もしくは錬金術師)のようで不思議。 黒原 くろばる 、唐津、伊賀、 猿投 さなげ などの土を使うが、粘土にすると性質がかなり違うので、特性に合わせて形をつくる。そこに決まりは無く、二人がそれぞれにつくる形は即興のさまざまな音色、実験音楽みたいだ。毎回が予測不能、バラバラで楽しい。炭化だけでなく釉薬を着せない土の耐火鍋や白磁の焼き〆もあり、裸のまんまの土の器や道具がたくさん出来た。一部をのぞき色んな茶、黒、茶、黒の大連続になるが、個体差がすごいので思いっ切り土を感じて埋もれてください。



壷田和宏 亜矢 / TSUBOTA Kazuhiro,Aya
1972年 和宏、三重県伊賀市に生まれる
     亜矢、愛知県安城市に生まれる
1995年 愛知県芸術大学陶磁器専攻科卒
    愛知県長久手市に登窯を築窯
2000年 三重県伊賀市融栗谷に穴窯築窯
2009年 宮崎県高千穂五ヶ所に登窯築窯
2011年 同地に穴窯を築窯

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