eleven 2nd

2021/11/28

会期:2021.12.11(土)- 12.20(月) 11:30-18:00
休廊:14(火),15(水)
作家在廊:12.11(土)~12(月)



注:これはセーターではありません。
色んな素材や技法を使ったあったかグッズが出てきて悩ましいこの季節。例年に引き続きeleven 2ndのニットを販売します。定番の柔らかいカシミアやヤクならではのたっぷりとしたボリュームのあるセーター。素材ごとに軽さや重さを使い分けつつ、オールドファッションな古着っぽい佇まい、メンズ的な形が私の好むところでもあります。
そして今年も情熱がほとばしっているグラニーニットを制作していただいています。グラニーは「おばあちゃん」の意。昔編まれていたような懐かしい編み目や配色を意識した手編みのシリーズです。こちら「編み」ならではのジャージーな伸び縮みが体にフィットしながら寄り添うので、まるでセーター。そのものじゃなくて、1枚の布が服みたいな存在であることが嬉しいのです。



eleven 2nd 橋本靖代 / HASHIMOTO Yasuyo
文化服装学院デザイン専攻ニット科卒業。糸商にて糸の企画、テキスタイル作成を行う。マーガレットハウエルにて18年勤務。ニットカットソー、ハウスホールドグッズ担当。n100をスタートし、2018年春にて終了。2018年11月に日々につかうもの、よい素材のもの、心地好い日常に必要と思うものを中心にeleven 2ndを始める。

http://eleven2nd.com

臼杵春芳

2021/10/26

会期:2021.11.13(土)- 11.22(月) 11:30-18:00
休廊:16(火),17(水)
作家在廊:11.13(土)~15(月)

「もとは彫刻をしていたのに、なぜ漆を掻(か)こうと思ったんですか?」と臼杵さんに聞いてみた。「生活のために家具を作るようになって、最初は買った漆を使ってた。日本の漆なんてほとんど無いから中国産なんやけど、日本製の家具を謳ってるのに全然日本製とちゃうやん、と思って」――なるほどお!!...とはならないが、そもそものところからやりたくなってしまう発想と行動力に感嘆する。今では少なくなった漆を植林する活動もライフワークのひとつ。長年拠点としていた京都を離れ、地元の香川に戻るにあたりまずは自分の敷地に漆の苗を植えた。

近所には讃岐塗のベテラン木地師・岩崎寿夫さんがいて、お盆の裏に円を描きながらカンナで滑り止めを彫る「ざんだら」など讃岐特有の木地を挽(ひ)いてくれる。作業場は路面電車が走る道沿いにある大正時代の踏切番の家。岩崎さんの継ぎ手は無く、70年のキャリアをそろそろ畳む予定だそうだ。臼杵さん自身の轆轤や手刳(ぐ)りを木地とした作品もあるが、この二人の分業シリーズも好きだったのに...。知った時にはずっとあって欲しいと思う色んなものが、終わりかけている。

最近思うに漆という古来の塗料は少しカガクっぽい。素材の表面に膜を張り、コーティングしたり、くっつけたりする便利な作用がある。例えば木目を消したり着色もできるから、元の素材を包み込んで、生かすも殺すも出来る。定着するのに湿度と時間を要するのがシゼンの不思議ではあるが、プラスチックの誕生も遡れば樹液が素材として一役かったことを思い出した。昔と今は繋がっている気がするなあ。とにかく便利で、うちの朝食はサラッと済ませたいから塗りの器を使うのが定番。軽いし洗いやすいし割れにくいしで、プラスチック並みに扱いが楽なのだ。しかし漆の採取は想像よりも壮絶で、一液ではなく一粒から。もっと溢れ出てくれるものだとばかり思っていました、すみません。もう誰もしたがらない仕事だと臼杵さんは言うが、今は過渡期。この一粒が次の時代のわずかな接着剤になってくれる気がするのですが、どうでしょう?私もそれにくっついて行きます。



臼杵春芳 / USUKI Haruyoshi
1954年生まれ。1977年彫刻家新宮晋氏に師事。京都を拠点に建築家との共同作業で店舗や個人住宅の家具制作を行う。近年は工房を香川へ移し、漆の木の栽培をはじめ、漆掻き、木地師、塗師の一連の工程を一人で行っている。
写真:森善之

www.usuki-koubou.com

ハタノワタル

2021/08/03

会期:2021.8.21(土)- 8.30(日) 11:30-18:00
休廊:24(火),25(水)
作家在廊:21(土)

当店の移転に際して、フローリングはハタノさんに張ってもらった。うっすら青い顔料が向こうに透けて見える茶紙で、ウレタン塗装をすると艶が出てちょっと革みたいだ。パッチワーク状に張ったせいか、本人曰く「韓国風?(たぶん)」とのこと。この和紙の床は歩くと足裏で磨かれて、それこそ革のようにツヤツヤになることを私は知っている。もともと黒谷和紙はコウゾやミツマタといった植物繊維で出来ているからか、布のようでもある。 以前は紙をシンプル に紙として売ることしか想像できなかったが、それだけハタノさんの漉く紙が面白かった、というのもあるだ。記憶に鮮やかなのは、白くてふわっふわに起毛した綿花のような紙。軽くて薄くても、紙は丈夫で温かいと教えてくれたのもハタノさんだった。先日やっとのこと、超絶多忙なハタノさんを捕まえて工房に突撃。以前には無かった紙漉き工場が出来て、自宅も改装されていた。もちろん全体的に紙を多く使っているので、大きなサンプル帳を見ているようで面白い。最近では平面、立体のアートワークも多く手がけており、新しいハタノさんの引き出しを見ている気分。 振り返ると、会った時から絵画をしている人で、もともと紙はその支持体として自ら漉き始めたのだった。工房には紙を加工する時に下敷きにしている紙が積んであった。贅沢な下敷き使い。紙を染めたり塗ったり、ある程度のところで一つの作業が終わると、上にまた新しい紙を敷いて次の作業を重ねていくらしい。そのため、汚れた下敷きはどんどん嵩張っていき、塗料でくっついたりしているが、1枚1枚剥がしていくと面白い風景が見えてきた。これは逆で、塗料という支持体にのっかった紙、ということになるのでは... ? 興奮。意図して出来たものではないが、紙上の長い長い作業と時間の連続が、私には絵画に思えた。



ハタノワタル Wataru HATANO
1971 - 淡路島生まれ
1995 - 多摩美術大学絵画科油画専攻卒
1997 - 黒谷和紙研修生となる
2000 - 黒谷和紙漉き師として独立

www.hatanowataru.org

IG X
© SANKAKUHA inc.